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FROM THE PRINCIPAL

  1. 園長通信
  2. 心の理論(Theory of Mind)-5歳児の話し合いの活動から-

心の理論(Theory of Mind)-5歳児の話し合いの活動から-

朝晩の涼やかな気候とは裏腹に暑さが残る9月の園庭から、I先生のマイクを通した声と伸びやかに広がる子どもたちの歓声が交互に聞こえてきます。あぁ、運動会が近いな!実務の手を止めて見に行ってみました。園庭ではちょうど年長の男児たちがクラス対抗で駆けっこ遊びに興じていました。がんばれっ、がんばれっ!デッキでは年長の女児たちが手をたたき声を張り上げて応援しています。声援を追い風にした男児は意気揚々スピードを上げ、腕をふり足を繰り出します。勝負に夢中な男児たちの走る順番を先生が忙しく確認してスタート地点に誘導します。いよいよ最終走者の登場、女児たちが名前を呼びます。バトンをしっかりと受け取り、体の向きを反転させ勢いよく飛び出しました。最終走者だけあり、どちらも力走・実力者です。あっという間に一周戻ってきました。先生たちが慌ててゴールテープをひき、一番の男児がゴール!そして二番の男児も猛追しゴール。勝負は?一瞬静まり返った後にI先生が勝負の結果を告げると、歓声と落胆が入り混じったどよめきが沸き上がりました。「また次も駆けっこ遊びをするからね、どんなところがよかったか?どうしたらもっとかっこよく走れるか?クラスで話し合ってみようね。」I先生が運動遊びは今後も続くことを暗示し、話し合いの活動へと子どもたちをいざなって締めくくりました。

『心の理論』とは自分や他者が「心」を持っていること、そしてその「心」が行動に影響を与えることを理解する能力のことです。4歳頃が大きな節目となり「他者は自分とは異なる心(信念)をもっているかもしれない」と気づき、5歳頃になると,集団の中での話し合いや協働遊びを楽しむ中で、自分の意見を受け入れてもらったり、相手の気持ちを理解できたりすることの喜びを感じるようになります。この体験が積み重なり、やがて1つの目的に向かって集団で協力して行動できるようになっていくのです。協働的な学びによって飛躍する子どもたちの姿を見逃したくない!大人の気持ちも躍動します。

ニューライフ幼稚園 園長 角和麻衣子